全国の建設現場を“支援”するため、“自分で考えて”機械をつくる企業
取材日: 公開日:
- 株式会社クロダテック
- 建設機械の企画・設計・制作・据え付け、一般建設機械・設備のレンタル
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現場の要望に応える機械づくり! 仕事も休みも充実
株式会社クロダテックは「特定の工事現場に合わせた特殊機械の企画・設計・製作・据え付けを中核に、一般建設機械・設備のレンタルも行う企業」です。トンネルや地下鉄、高層建築などの工事現場で使用される機械を、現場のニーズに応えて生み出し、日本の建設業を長きにわたって支えてきています。
本ページでは、黒田代表取締役社長、事業所「篠山E&M(主に電気機器・装置の整備工場)」の所長である竹知さん(38歳)、クレーングループのグループ長である岡藤さん(68歳)、シールドグループの設計班に所属している入社1年目の伊藤さん(26歳)それぞれに、クロダテックの事業内容や職場環境、大事にしていることなどを伺いました。
クロダテックの仕事内容について黒田社長に伺うと、「建設支援業」だとおっしゃっていました。「つまり、ただの製造業ではないということです。現場のお客様の要望に沿って設備や機械をつくりますので、お客様としっかり話して、創意工夫しないといけません」
どんどん変わっていくニーズに応え、さまざまなクレーンや運搬装置、機械設備などを生み出してきたクロダテック。それだけに、今まで行ったことのない事業を担当することもあります。
竹知さんが取り組んだのは「天井クレーンの自動化」でした。「東京で高速道路の工事を行うため、お願いされました。やったことのない大規模な事業を行うのは大変ですが、他社さまと協力しつつ、計画と施工を含めて4年がかりでレベルの高い仕事ができ、達成感を感じましたね」
「天井クレーンの自動化」だけでなく、クロダテックにはさまざまな現場から、さまざまな注文が舞い込んできます。ですので、高専や理工系学部で学んだことを存分に生かせる環境と言えるでしょう。岡藤さんは、「仕事はいくらでもあります! 試行錯誤するのは大変なことですが、それが好きな方でしたら、クロダテックは良い会社です」と、おっしゃっていました。
このように仕事が充実していますが、労働環境もしっかり整備されています。竹知さんは「会社全体としては年間休日が120日を超えています。自分の部署もしっかり休んでいますし、私自身も有給休暇を使い切る勢いで休んでいます(笑)」と、お話しされていました。
そのような環境を、入社1年目の伊藤さんはどのように感じているのでしょうか。「そもそもクロダテックを選んだ理由の中には、休日の多さや残業の少なさもありました。実際に働いてみてもそうでしたし、加えて人間関係の良さも感じています。本当にクリーンですし、間違いなく働きやすい職場です」と、オン・オフの切り替えがしっかりできる環境だそうです。
重要なのは「自分で考えることができるかどうか」
竹知さん、岡藤さん、伊藤さんには共通する点があります。それは「高専卒の中途入社」であることです。
竹知さんは舞鶴高専の機械工学科を卒業後、美容師になられました。純粋に「美容師になりたかったから」という理由でしたが、仕事の過酷さに転職を決意。機械工学科で学んだことを生かせるクロダテックへ14年前に入社されました。
入社後に配属されたのは、高専での学びに直結した機械設計に関する部署。しかし、7年目に電気関係の部署(現在の部署「篠山E&M」)に配属となりました。これまでの知識をそこまで生かせない部署でしたが、自分なりに本を読んで実践し、勉強したそうです。
竹知さんは、「自分なりに考えて行動する姿勢は大事にしていますし、今の若い社員に対しては、考える姿勢を前提として持てるよう、ヒントを与えて見守りつつ教育しています。『高専を卒業できる人は、自分で勉強できる人』だと思うので、考える姿勢が大事なクロダテックには合っていると思いますよ」と、自身の経験を踏まえてお話しいただきました。
岡藤さんは、約20年前にクロダテックに入社。前職は建設会社でした。「前職のころからクロダテックと関わっていたのですが、仕事内容も似ていたし、そのときのクロダテックの社員さんが優秀だったのが印象的で、入社を決めました」と話された岡藤さんは、宇部高専の機械工学科を卒業。現在の仕事にも直結しています。
「どうしたらうまくいくのか、試行錯誤しながら取り組んでいるので、何につけても達成感があります。クロダテックには、前職よりも緊張感をもって仕事をしている雰囲気がありますが、だからこそ素晴らしい方がいたのだろうし、そういう方たちが築いたクロダテックの基礎を、これからも引き継いでいきたいです」と、岡藤さんは熱く語っておられました。
そして、伊藤さんは富山高専の電子情報工学科を卒業しています。プログラミングや電子回路の勉強をしていましたが、前職含め、現在もその知識をフル活用しているわけではありません。
「前職は配属の関係で、施工管理人をしていました。そこでCADオペレーターの方と関わり、2DCADに興味を持ったのが、転職の理由です。高専のインターンで3DCADに触れたことはありましたが、3方向(正面・平面・側面)からの視点で図面を書く2DCADに面白さを感じました」とお話しされた伊藤さんは現在研修中。実際にCADを練習し、製品につながる部品の図面を書いています。
「正直、手取り足取り教えてもらっている感じではないかもしれません。どこが分からないかを自分なりに整理して質問しないと、欲しい回答は得られないと思います。ですので、『どうしてそうなるか』を理論立てて理解しないといけませんが、自分は考える時間が欲しいタイプなので、このスタイルが合っているのかもしれません」
このような伊藤さんの働きぶりについて岡藤さんは、「違う部署ではありますが同じフロアですので、毎日顔は見ています。どんどん成長しているのが分かりますね。こっちのグループに来てほしいぐらいです(笑)」と高く評価されています。
伊藤さんも「先輩方の知識量には日々驚いています。先ほど人間関係の良さを魅力に挙げましたが、それはお客様や先輩・後輩などとの関係を大事にしているからですし、そういう仕事の取り組み方を自分も見習っていきたい」と、今後について教えていただきました。
誰もが主人公になれる! 入社される方に求めるもの
これまでにお話しいただいた内容を振り返ってみると、「考える姿勢」や「試行錯誤」などといった旨の言葉が頻出しています。自分で考えて試行錯誤しないと、自身の成長に繋がらないという「社員全体の意識」が伝わってくるのではないでしょうか。
竹知さんが、このようなエピソードを話してくれました。「入社したころ、自分が作成した図面を自社の工場に渡したのですが、その図面が間違っていたんです。なのに、工場サイドは“あえて”その図面通り機械をつくって渡してきました。後でつくり直すことが分かっているのにです。そこで、『こういう図面をつくると、こういう間違いが起こる』ということを、身をもって知りました。厳しいけど優しい、職人らしい教育だったと思います」
もちろん、「背中を見て学べ」という職人気質な教育は今に合わないと感じている竹知さんは、そのようなことがないように所長として努めています。しかし、昔の時代を経験したからこそ、「自分自身で考えて、試行錯誤する」ことの重要性も知っているのです。先述した「ヒントを与えて見守る」という教育も、昔と今のハイブリッドとして生み出したと言えます。
また、岡藤さんは仕事に関する夢をたまに見るそうです。「仕事は仕事中に行いますが、業務に行き詰っているときは、仕事の夢を見ますね。そしたら、良いアイデアが浮かぶことがあるんです。さすがに業務が達成出来たら、仕事の夢は見ないですけどね(笑)」
これに対し伊藤さんは「仕事の夢を見ることはないです(笑) ただ、基本的に仕事とプライベートは分けていますが、プライベートでふと仕事について思うことはあります。前職でもありましたね」とおっしゃっていました。プライベートの時間をしっかり確保しているクロダテックですが、真剣に仕事に取り組んでいるからこそのエピソードでしょう。
若い社員さんを教育される立場にある竹知さんと岡藤さん、そして黒田社長は、どのような人にクロダテックに入社してほしいと思っているのでしょうか。
竹知さんは「意欲的であること」「真面目にコツコツできること」「ガッツがあること」のどれか1つを持っている人に入社してほしいそうです。「覚えが悪くても、それは仕方のないことです。それよりも姿勢が大事。『一人ひとりが主役に立とうと思えれば立てるところ』がクロダテックの魅力です。だからこそ、そのような気持ちを持っていてほしいと思います」
岡藤さんは「主体性」や「人間性」のある人に入社してほしいそうです。「人間性」とは、「嘘をつかず、コツコツできること」という意味。「もちろん手助けはしますが、自分自身でも成長できる人に来てほしいです。どんどん伸びていって、私を追い越す人もいるので、ぜひそうなってほしいなと思います」
黒田社長が求める人物像は「素直であること」「真面目であること」「感謝の心・思いやりを持っていること」の3つです。「自分が一生懸命に取り組んだら自分の力になるし、そこは評価していきたいです。かつては厳しい時期を過ごしたこともありますが、社員に良い環境を備えることがようやく出来てきたと思います」
そして、黒田社長にはクロダテックの今後についても伺いました。「今は設計や製造がベースですが、機械や電気分野の価値も高めていきたいです。海外からの問い合わせも増えてきていますので、国内と同様に支援できるよう組織を形づくっていきたいですね。クロダテックに悪い人はいないので(笑)、ぜひ入社してほしいと思います!」
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取材者が感じた会社の印象
今回はクロダテックの4名の方にお話を伺いましたが、実は「黒田社長・竹知さん」と「岡藤さん・伊藤さん」の2回に分けて取材しています。にも関わらず、表現は違えど、仕事に対する心持について全員がほぼ同じ内容の発言をしていることに驚きました。全員が同じ姿勢を持っているからこそ、会社として強い基礎を持つことができているのだなと実感した次第です。
かつてより社員の平均年齢が若くなってきているクロダテック。これまでさまざまな時代の変化に対応してきていましたが、それは社内環境についても同じことでした。一人ひとりが主役となり、オンとオフをしっかり切り替えて、真摯に仕事に取り組むことができるクロダテックで、自身の経験や「姿勢」を生かしてみませんか?